第230章 深夜救急

深夜、羽柴明彦は突然の腹痛で目を覚まし、トイレへと駆け込んだ。

彼は普段から質素で節制した食生活を送っており、鈴木ママが長年彼のために料理を作ってきた。その衛生習慣は信頼できるものだったので、食品安全の問題が発生するとは考えにくかった。

5分後、額には細かい汗が浮かんでいた。この程度の腹痛は、もう何年も経験していなかった。

すぐに治まると思っていたが、症状はどんどん悪化し、わずか30分の間に4、5回もトイレに駆け込んだ。その間、吐きたくても吐けない吐き気や、唾を飲み込むだけでも胃が痛む苦しさが交互に襲ってきた。

時計を見ると、すでに深夜2時を過ぎていた。万物が静まり返り、トイレを往復しているのは彼一人だけだった。

ベッドに横になって数分経つと、また急いでトイレに戻らなければならず、最後には便器の横に座って人生を考えることにした。