第287章 お見合いクラブ

夏目芽依は机に伏せて、ぼんやりとパソコンを見つめていた。画面には風光グループの現在の公式ウェブサイトが表示されており、制作日付はすでに8年前のものだった。羽柴明彦は怠け者だと判断できる。これほど長い間、自社のポータルサイトさえきちんと更新しないなんて。

彼女はこの男が故意にしているのではないかと疑い始めた。わざと餌を出して彼女に無償サービスを提供させようとしているのだ。

「風光グループの新しいポータルサイトをデザインしてくれ。もし私が満足したら、すぐに君のためにデザイン会社を設立してあげよう」羽柴明彦は軽々しく言ったが、この重責を一気に彼女の肩に乗せた。

大企業のポータルサイトをデザインするのは、小学生のコンピュータの授業でHTMLを使って単位を取るための簡単なサイトを作るようなものではない。フロントエンドのインターフェース、バックエンドのデータベース、インタラクション...など、これらすべてを彼女一人でこなさなければならない。それには時間がかかる。