「あれ?お母さん、そのイヤリング前に無くしたんじゃなかった?いつ見つかったの?」
羽柴家の人たちがチャリティーパーティーに出席した時、羽柴美波はすぐに庄司美如の耳元にあるダイヤモンドのイヤリングに気づいた。それは以前ずっと見つからなかった記念日のプレゼントだった。
「ああ、そうよ」庄司美如は手で自分のイヤリングに触れた。「後で見つかったの」
このイヤリングについて話すと、彼女の心はまだ少し不安だった。当時、夏目智子が去った直後、彼女は人材派遣会社に電話をかけ、彼女の一連の罪状を正義感たっぷりに訴えた。その中にはイヤリングの紛失も含まれており、意図的か無意図的かは別として、人々の疑いを彼女に向けさせていた。今になって自然と現れたのは、奇妙なことだった。
羽柴美波はマティーニを手に持ち、両親の隣に立って彼らが他の人と話すのを見ていた。ちょうど退屈に感じていた時、羽柴明彦が入り口から入ってくるのを見て、急いで迎えに行った。