「頭にきた!頭にきた!」
夏目芽依は羽柴明彦に睡眠を邪魔されたくないという理由でドアの外に押し出され、さらにドアを鍵で閉められてしまった。
鈴木ママはちょうどよいタイミングで美味しいお茶と二皿のお菓子を持ってきて、テーブルに置いた。「奥様、私が最近覚えた二つのデザート、キャラメルスフレとマンゴープリンタルトを試してみてください」
夏目芽依はテーブルの上のお菓子を一瞥した。普段なら彼女は間違いなく我慢できずにすぐに手を出すところだが、今は胸に溜まった怒りのせいで、食べる気分ではなかった。
「奥様」鈴木ママは彼女の様子を見て、また羽柴明彦と言い争いをしたのだと察し、彼女の隣に座った。「こんなに怒って、何の得になるんですか。旦那様と喧嘩して、自分をこんな状態にして、傷つくのは自分の体ではありませんか?」