「見つけた、これだ」竜介兄さんが一束の新聞から一枚を引き抜いた。「廃屋で高校生男子が複数の刃物で刺され、命の危険、緊急搬送され救命措置。確認によると、二日前に学校の向かいの路地で誘拐された羽柴某と判明」
彼は写真を手に取り、頷いた。「彼だ。以前、誰かがこの誘拐事件の調査を依頼してきたんだ。当時警察は犯人を捕まえられなかったからね〜」
「それで?」夏目芽依が追及した。
「それで...たしか調査結果は出たはずだが、よく覚えていないな」竜介兄さんは頭をかきながら言った。「記録があるはずだ、ちょっと探してみる」そう言って、別の部屋に入り、大量のノートを持ち出してきた。
「これは何ですか?」
相棒が急いで説明した。「これは竜介兄さんの調査記録です。私たちが請け負った調査はすべて、クライアントへのフィードバック以外に、詳細な情報をここに記録しているんです」そう言って、彼は笑みを浮かべた。「中には人に言えない大きな秘密もたくさん隠されていますよ」