森田佳代の言葉を聞きながら、徳田月光は頭を抱えてイライラしながらペンを回している秋山直子を見た。彼女はいつもクールな人なのに、反応できなかった。
「この問題は解けなかったの。提出するとき、直子が答えを書いてくれたの」徳田月光の驚きを感じたのか、森田佳代は少し頭を傾げて説明した。
物理は国語と違って、特に空欄問題は手がかりがなく、時間も限られていたので、森田佳代はちらっと見ただけで飛ばしてしまった。
最後に提出する時には、森田佳代は後ろの大問を全部解き終わっておらず、空欄問題のことなど思い出せなかった。
森田佳代は秋山直子が潔癖症だと思っていた。毎回テストは隙間なく全部埋めて、彼女の解答用紙に空白があるのを見るのも我慢できないようだった。
無理やりペンで答えを書き込んだのだ。