046一匹狼、直子が問題を解く

「あぁ」秋山直子はなんとなく返事をした。彼女は資料の問題を見つめ、かなり真剣だった。「前回のあの仕事は偶然だったけど、状態はだいたい同じかな」

「本当に？」長野誠はただ冗談めかして聞いただけだったが、秋山直子の答えを聞いて、彼はかえって驚き、ソファから飛び上がった。

「来月から始めるよ」秋山直子はこの本を脇に置き、別の本を手に取って見始めた。彼女はゆっくりとした口調で言った。「もう少し時間が欲しい」

「来月どころか、再来月からでも構わないよ」長野誠は部屋の中を数歩歩き、興奮した気持ちを隠そうともせず、最後には笑いを抑えられなかった。「君がまた戻ってきてくれるなら。この一年以上君が姿を消して、もう二度と仕事を受けないんじゃないかと本当に心配していたんだ」

秋山直子が辞めていなければ、長野誠は安心だった。