048あれは徳田校長の車ですか?

秋山直子はしゃがんで、カップを片付け、表情を変えずに「大丈夫」と言った。

神崎深一が入ってきて、床のガラスの破片を片付けるのを手伝った。

秋山直子は彼が出て行って陸奥照影たちと話し始めるのを待ってから、動きを止め、その場に立ち、目を伏せて何かを考えているようで、少し呆然としていた。

黒い携帯電話は彼女の横に置かれていたが、神崎深一が出て行った後、それは自ら一度光った。

2分後、諦めきれずにさらに明るく光った。

秋山直子は思考から戻り、必死に光る携帯を見て、無表情に顔を背け、もう見なかった。

「神崎木」ドアの外で、陸奥照影は足を机の上に乗せ、椅子を180度後ろに回転させ、手のペンを回しながら言った。「江戸川和葉のところには前回メールを送ったが、具体的な資料は外部に漏らせない」