291 虹の褒め言葉、控えめな自慢(二回目)

田村香は今日、少しフォーマルなワンピースを着て、バイオリンを手に持っていた。

後ろのスタッフはすぐに田村香の資料を採点する先生たちに配った。

「3級?」エンゲルさんの隣に座っている唯一のアメリカの先生は資料を見るなり思わず声を出した。

3級、しかも協会に入ってまだ2ヶ月も経っていない。

「田村香は結城先生の弟子で、彼女はおそらく2ヶ月ちょっとで4級に達したんでしょう」と話したのは東京の協会で桑原陽太派の先生で、暗に皮肉を言った。

みんな知っている...2ヶ月足らずで3級から4級になるのは難しすぎる、特にこの生徒はあらゆる面で特に優れているわけではないのだから。

結城先生の弟子と聞いて、エンゲルさんは少し興味を持った。彼は資料を見下ろして驚いた:「自作の曲目なのか?」

結城先生も少し驚いていた。彼はもともとこの回は秋山直子だけが自作曲を演奏すると思っていたが、まさか田村香も自分の創作曲を持っているとは思わなかった。