第39章 結局は彼女の無能さ

東條未煙は眉をひそめた。誰が心変わりするというのだろう?神城淵司か?

神城淵司のことを考えると、彼女の瞳に再び憎しみの色が走った。ここ数日は霧島咲姫のことで忙しくて、あの老いぼれのことをすっかり忘れていた!

いいだろう、彼女に煌の世話をさせるというなら、徹底的に「世話」してやる。

神城家に戻ると、神城連真はすぐに使用人に煌を東條未煙に抱かせた。

東條未煙は受け取り、抱きかかえながら、霧島咲姫によく似た神城煌の顔を見て、千切りにしてやりたいと思った!

なぜ霧島咲姫はもういないのに、彼女の息子がここで自分を苦しめなければならないのか!

自分から門前に来たのなら、容赦しないでおこう。

東條未煙は煌を受け取り、抱きかかえた。彼は口におしゃぶりをくわえ、美味しそうに吸っていた。

しかし、その大きな目は常に彼女を見つめ、彼女に対して好奇心を抱いているようだった。

彼の目は特別に大きく、明るくて美しく、霧島咲姫にそっくりだった。それを見た瞬間、彼女の怒りが再び心の底から湧き上がってきた。

しかし神城連真がその場にいるため、軽率な行動はできず、他のことをする勇気もなかった。それどころか、子供が好きなふりをしなければならなかった。

彼女は煌を抱き上げ、彼の小さな手を優しく摘んだ。とても柔らかく小さかった。

こんなに小さな赤ちゃん……

実際、彼女も残酷なことはできないはずだったが、これが霧島咲姫の子供だと思うと、冷酷になってしまうのも仕方ない!

使用人が傍らで注意した:「東條さん、赤ちゃんはそうやって抱くものではありません。こうやって……」

そう言いながら東條未煙の手を引っ張り、強制的に正しい姿勢を取らせた。

東條未煙は本能的に拒否したかったが、神城連真が傍らで見ていたため、仕方なく従った。

神城連真は彼女の対応に満足し、静かに言った:「これからは子供の世話は君に任せる。使用人たちが手伝ってくれるだろう。」

東條未煙は愛らしく微笑んだ:「わかりました。」

神城連真はそれだけ言うと、書斎へ向かった。

リビングには東條未煙が神城煌を抱いたまま、使用人たちだけが残された。

東條未煙は頭を抱えながら神城煌を見つめていた。部屋に戻ろうとした時、神城淵司が帰ってきた。