「霧島咲姫、どうしてこんなことに」
知らせを受けて駆けつけた朝霧翔真は、目の前で紙のように青ざめた顔色の霧島咲姫を見て、怒りで体が震えた。
「また神城連真のしわざだろう?あいつに仕返しに行くぞ」彼は両拳を強く握り、咲姫の前で怒りを抑えようと努力したが、愛する女性がこんな状態では冷静でいられるはずがなかった。
——煌、煌はどうなの?
霧島咲姫は最後の一息が残っていても、それは煌のために存在していた。
朝霧翔真は眉をひそめ、「煌は神城家の者が見ているよ。さっき看護師に聞いたら、中の子はもう危険期を脱したって。大丈夫だから、まずは君を治療に連れて行くよ。咲姫、今は煌より君の方が診察が必要だ」
彼の目には隠しきれない心配の色が浮かんでいた。朝霧翔真は彼女を抱き上げると、階下へと向かった。