霧島咲姫が目を覚ましたとき、病室には誰もいなかった。
彼女が目を開けると、周りは一面の白で、それに続いてアルコールの匂いが鼻をついた。
病院?
記憶が徐々に戻ってきた。神城連真が自分を病院に連れてきたなんて思いもよらなかった。それは彼が自分を許してくれたということ?もう一度煌に会えるということ?
ドアが開き、男が無言で彼女の後ろに立ち、瞳で彼女をじっと見つめていた。
霧島咲姫が振り向くと、鷹のような鋭い目に驚いた。彼の頬の傷に気づき、少し呆然としていた。
神城連真は彼女の様子に気づき、表情がさらに暗くなった。
「煌に会いたいか?」
目の前の女性は両手をきつく握り、神城連真がそう言うのを聞いて、驚いて目を上げた。
——煌、会いたい!
どんなに苦しくても辛くても、彼に会えるなら、何も怖くない。