第64章 神城家へ

「成也はギャンブルもやっているわ。今、家は一千万以上の借金を抱えているのよ。知らないわけないでしょう」霧島咲姫の目には嘲笑の色が浮かんでいた。霧島家にはそれほどの力はない。

かつての大爺様を除けば、霧島耀司は怠け者で、すでに家産のほとんどを使い果たしていた。

一人息子の霧島成也に至っては今やもっとひどい状態で、以前霧島咲姫から一千万を手に入れた後、ギャンブルに走り、今では逆に一千万の借金を抱えている。霧島家がそんな大金をどこから出せるというのか。

霧島咲姫の顔色が一瞬で暗くなった。

弟が……

「よく考えなさいよ、どこから一千万を調達するか。今のあなたが神城家で働いても、二十年かかっても稼げない額よ。それとも、あなたの元カレにお願いする?」東條未煙は彼女に朝霧翔真を頼らせようとしていた。