第69章 祖宅を売り払う

東條未煙はまだ何か言いたかったが、彼の急に冷たくなった顔を見て、黙ることを選んだ。

「まだ調査中だ。安心しろ、お前を害そうとした者を見逃すつもりはない」神城連真は深い眼差しで横を見た。彼女なのか?

本当に霧島咲姫なのか。

その夜

病院全体が恐ろしいほど静かだった。

霧島咲姫は目を真っ赤にし、傍らの神城慈乃はまだ慰めていた。

「咲姫、もし話さなければ、あなただけでなく、霧島家も終わりよ」神城慈乃は深く息を吸い、ため息をついた。

彼女は神城連真をよく理解していた。

二人は血縁関係がなくても、それに比べれば、むしろ実の兄妹のようだった。

同じように冷血で情け容赦がない。もし神城連真の心にいわゆる東條未煙がいるとすれば、彼女の心には神城家の老爺と霧島咲姫しかいなかった。

何の執着もない。