第81章 良い知らせと悪い知らせ

東條未煙は病室に座り、手にタバコを持っていた。看護師は眉をひそめたが、何も言う勇気がなく、ただ窓を少し開けて、そのまま病室を出て行った。

ベッドに横たわる霧島咲姫は、自分に向けられた憎しみの視線を感じ、ゆっくりと目を開けた。

「お姉さん」

その声色には喜び、嫉妬、そして、他人の不幸を喜ぶ気持ちが混ざっていた。

東條未煙は、彼女をこのまま死なせるのは簡単すぎると思った。このように徹底的に彼女を苦しめ、最初から神城家に嫁ぐべきではなかったこと、最初から自分と争うべきではなかったことを思い知らせたかった。

東條未煙を見た霧島咲姫は最初驚いたが、周りが病室だと気づき、突然何かを悟ったようだった。

「いい知らせと、悪い知らせがあるわ」

霧島咲姫は彼女のタバコの匂いで少し頭痛がしたが、眉をひそめただけで何も言わなかった。