霧島咲姫は緊張して自分のドレスを引っ張った。彼女はこのような服を着るのはもう3年近くなかったし、ましてやこのような場に現れるなんて。
今回は、神城連真の妻として、神城家が認めた嫁として。
そう思うと、彼女の口元にはさらに微笑みが浮かんだ。
神城連真はずっと入り口に立っていた。女性にこれほど忍耐強く接したことはなかったが、心から喜んで外に立ち、彼女を一目見るためだけにそうしていた。
目の前の女性は肌が雪のように白く、卵の殻をむいたようにつややかで、その美しさは比類なかった。彼女は白いオフショルダーの長いドレスを着ており、体にフィットしたイブニングドレスが彼女の体型を完璧に引き立てていた。
豊かな胸とヒップが強調され、一目見ただけで目が離せなくなるほどだった。
滑らかな首元だけが少し浮いて見えた。
神城連真は眉をわずかに寄せた。「私が頼んだものはどこだ?」
菅田ママとヘアスタイリストが中で整えていて、そのうちの一人が慌てて物を持ってきた。
霧島咲姫は振り返り、目に笑みを浮かべて神城連真を見た。「これでいいかしら?」
「とても美しい。だが、何かが足りない」神城連真はそう言うと、もう一人の手にある箱を開けた。鮮やかなダイヤモンドのカットが明確で、そのまま輝かしく現れた。
純白のダイヤモンドは照明の下で虹色の光を反射していた。彼女の目には驚きが浮かんでいた。これは、私へのプレゼント?
霧島咲姫は両手を握りしめたが、前に出ることはなかった。
神城連真は自ら彼女の後ろに歩み寄り、ネックレスを彼女の首にかけた。その美しさは言葉にできないほどで、神城連真の目には笑みが浮かんでいた。「この輝く星に相応しいのは君だけだ」
輝く星とは、近年アフリカで発掘された最大級のダイヤモンドの一つで、色の均一さと透明度の高さなどの優位性で独自の地位を築いていた。そのダイヤモンド一つだけでも数十億円の価値があり、さらに巨額の加工費を考えると。
霧島咲姫は急いで首を振った。彼女にはこんな高価なものを身につける資格がなかった。
「咲姫、あの研究がもたらした利益がどれほど大きいか知らないのか?今やアジア全体が我々と協力し始め、欧米からも研究者が学びに来ている。これは単なる特許ではなく、その成功の裏には君の功績がある」