第178章 お仕置き

「ママ。」煌は霧島咲姫の顔色があまり良くないのを見て、できるだけ声を抑えて、そばで静かに呼びかけた。彼女の怪我をした右手に触れないように気をつけていた。

霧島咲姫は笑顔を作り、彼の頭を撫でた。

彼女の良い子。

なぜ神様は彼女をこんなに苦しめるのか、何度も何度も。なぜ彼女を楽にさせてくれないのか。

霧島咲姫は眉をひそめ、目に悲しみの色が浮かんだ。

「ママは大丈夫だよ、煌はずっとママのそばにいるから」神城煌は彼女の隣に座り、静かに言った。

しかし霧島咲姫の心の中はさらに心配で一杯だった。彼女は心配そうな目で隣の煌を見た。「煌、正直にママに言って、どうしてこんなことをしたの?」

これまで煌に学校生活を経験させたことはなかったが、普段の様子を見る限り、煌は怒りっぽい子には見えなかった。