第185章 協力

「どうだい、よく考えたかい?聞いたところによると、先日また神城連真に神城家から追い出されたそうじゃないか。そんな屈辱に本当に耐えられるのか?私なら、とっくに我慢できなくなっているよ」

神城志国はどうやら噂を聞きつけたようで、再び東條未煙のもとを訪れた。東條未煙の目に宿る悔しさを見て、神城志国は特に気楽な様子を見せた。

「もし私があなたと完全に手を組むなら、最終的に神城連真を手に入れることはできるの?」

東條未煙の質問に対して、神城志国は思わず大笑いした。

「俺たち二人が手を組めば、無敵だよ。そうなれば神城家全体が俺たちのものになる。お前がたかが神城連真一人が欲しいだけなら、何の問題もないさ」

東條未煙はゆっくりと頭を下げた。彼女は長い間考え込んだ末、最終的に強く頷いた。「わかったわ。そういうことなら、あなたに協力するわ。神城グループの資料を持ってくるから、私の連絡を待っていて」

この時、東條未煙はすでに心が死んでいた。彼女はもう神城連真の前に行って何かを懇願したくはなかった。おそらく神城志国と手を組むことだけが、自分の望むものを手に入れる唯一の方法だと思った。

「君がそんなにあっさり決めてくれるなら、連絡を待っているよ。君の能力を信じているし、きっと失望させないだろう」

東條未煙が明らかに決心を固めたのを見て、神城志国の心の中の大きな石が地に落ちた気分だった。東條未煙が自分の側で協力してくれれば、多くのことがより一層うまくいくだろう。

「咲姫、ここでの生活には慣れたかい?何か不便なことがあれば、必ず私に言ってくれ。心の中に溜め込まないでほしい」

神城連真の言葉はいつも口だけではなかった。彼が皆の前で神城家を出ると宣言してからわずか二日で、本当に引っ越してしまった。神城淵司が必死に引き止めようとしても無駄だった。

「すべて順調よ、安心して」

神城連真の気遣いを感じながら、霧島咲姫の目は感謝の気持ちで満ちていた。実際、霧島咲姫にとっては、子供と一緒にいられるだけで十分満足だった。

「ここ数日は会社の仕事が忙しいから、一人で家にいるときは気をつけて。何かあったら私に言ってくれ。数日後に菅田ママに来てもらって君たちの世話をしてもらうから、そうすれば私も少し安心できる」