神城連真はこの件をこのまま終わらせるわけにはいかないと思った。彼は必ず反撃しなければならない。
これはただの婚約に過ぎない。まだ結婚式がある。彼らが結婚できなければ、すべてはまだどうにでもなる。
この期間に彼は必ず対策を考え出さなければならない。さもなければ、この件は彼らの思い通りになってしまう。
「今すぐ興栄グループにメールを送れ。彼らの会社から一人、我が社に研修に来るよう要請し、名指しで霧島咲姫以外は絶対に受け入れないと伝えろ」
神城連真はソファに座り、足を組みながら淡々と言った。
チャンスがなければ、自らチャンスを作る。
これが神城連真だ。
神城文弥はそれを聞いて、思わず目の前の男を一瞥した。心の中で思わず身震いした。この…神城社長は本当に恐ろしい。男の瞳は氷山のように冷たかった。