最終的に霧島咲姫は朝霧翔真に自分を会社まで送ってもらうことに決めた。道中で昨日のことについてきちんと話し合えるからだ。
「翔真、今日は会社まで送ってもらえる?いくつか直接話しておきたいことがあるの。心の中に抱えているとつらいから、話せばすっきりするわ」
そう言って、彼女は無意識に目の前の二人の男性を見上げた。
「わかった。それなら、先に車に乗って」朝霧翔真は少し間を置いて言った。
こうして、霧島咲姫はためらうことなく彼の車に乗り込み、無意識のうちに神城連真を一瞥したが、何も言わなかった。
神城連真はもちろん余計なことは言わなかった。彼は二人がきっと何かを話し合う必要があり、おそらく自分のことも関係しているのだろうと理解していたので、何も尋ねなかった。
そうして、朝霧翔真は車を発進させた。