第276章 株式

あちらの事をすべて片付けた後、三人は神城家に戻った。

まだ家に入る前に、執事が外で出迎えていた。

「神城社長、霧島さん、お帰りなさいませ。」

執事は笑顔で迎えた。

霧島咲姫はすぐに応じ、執事は急いで言った。「そうそう、今日は神城家の大爺様がいらっしゃいまして、今は一人でリビングでお茶を飲んでおられます！」

煌はそれを聞くとすぐに叫んだ。「曽祖父、曽祖父が来たよ、煌、とっても嬉しい！」

そう言うと彼は霧島咲姫の手を離して家の中へ走っていった。霧島咲姫はうなずき、神城連真は無意識に言った。「どうしたの？何か起きたのか？大爺様がどうして突然来たんだ？」

神城連真は心配していた。大爺様はここ数年は健康だったが、やはり年齢を考えると心配だった。

執事は少し間を置いて首を振った。「わかりません。早く中へどうぞ。大爺様は今日あなたたちが帰ってくると知って朝早くから来られました。早く会いに行ってください。」

二人はうなずいて家に入り、神城家の大爺様がソファに座っているのを見た。煌はソファの上で転げ回っており、大爺様は嬉しそうに笑っていた。

二人が入ってくるとすぐに大爺様は気づいた。

彼は無意識に煌の頭を撫で、にこにこ笑いながら言った。「やれやれ、待ちに待って、やっと二人とも来たか。咲姫、こっちにおいで、よく見せてごらん。久しぶりだな！」

霧島咲姫は神城連真を一瞥してから大爺様の前に進み、神城連真は無意識に咳払いをして横に座り、何も言わなかった。

煌はまだ横でキャッキャと笑っていた。大爺様はちょっと間を置いて言った。「煌、おいで。曽祖父はお父さんとお母さんと話し合いたいことがあるんだ！煌はまず自分の部屋に戻りなさい。ほら、このおもちゃを全部持っていきなさい。」

「はい、じゃあ先に行きます。」

「行っておいで、行っておいで。」

そう言うと煌は小さなおもちゃの車を持って部屋を出て行った。

横にいた霧島咲姫と神城連真は少し困惑していた。何か重要なことでもあるのだろうか？子供まで部屋に帰らせるとは。霧島咲姫は無意識に大爺様を見た。

彼は終始にこにこと笑っており、何か嬉しいことでもあるかのようだった。神城連真は好奇心はあったが、多くを尋ねなかった。

この様子では、霧島咲姫に何か重要なことを言いたいようだった。