結はどうしても想像できなかった。リサさんが自ら神城社長に食べ物を届けるなんて?
彼女が覚えているのは、数日前に株式を手に入れた瞬間でさえ、リサさんは平然としていたことだ。これがお金の誘惑というものなのだろうか?
「何をぼんやりしているの?この資料を陣内社長に渡して、私は先に行くわ」霧島咲姫は手に持った弁当箱を見た。朝に菅田ママが作ってくれた二人分の食事で、本来は車に置いておくつもりだった。
しかし自分のオフィスには冷蔵庫があるので、より便利だと思った。
霧島咲姫はハイヒールを履いて、再び神城グループを訪れた。
「まあ!あれは霧島さんじゃないですか?」
「そうよ、そうよ!覚えてる、神城家の大爺様が彼女に株を譲ったのよ」
「人それぞれ運命が違うってことね。彼女を見て、私たちを見てみなさい。これはまさに生まれながらの才能よ。そうでなければ神城家の大爺様が彼女を選ぶわけないでしょう」