霧島咲姫は彼の腕から身を引き離し、すぐに身支度を整えて会社へ向かった。
その時、神城文弥は結と熱心に話し込んでいた。
霧島咲姫は思わず近づいて冷やかした。「やぁ、文弥、今日はどうして私たちのところに来たの?」
神城文弥の顔はたちまち赤くなった。「僕は、神城社長が、書類を届けるように言ったんだ。ちょうど結が朝食を食べていなかったから、ついでに朝食を持ってきたんだ!」
霧島咲姫は神城連真自身が朝早くから濡れ衣を着せられたらどんな反応をするか知りたかった。「そう?神城社長はまだ家で寝ているけど、彼があなたに書類を届けるように言ったなんて知らなかったわ」
神城文弥は恥ずかしそうに頭をかいた。この夫婦は本当に悪魔だ、本当に人をからかうのが上手い。「へへ、バレちゃいましたね!」