第382章 手がかり

霧島咲姫はこの時すでに完全に座っていられなくなり、すぐに車を運転して神城グループに急行した。

地下駐車場に着くと、そこで待ち構えていた数人の記者に止められた。

「霧島さん、神城グループの不動産プロジェクトの工事期間中に人命が失われた事件は、神城社長が高利益を得るために意図的に手抜き工事を行ったせいではないのですか?」

「霧島さん、神城グループはこの事件をどのように解決する予定ですか?」

一連の質問が飛び交い、霧島咲姫は頭が痛くなった。

結局、このプロジェクトは最初に自分と桐島耀真が契約を結んだものだから、自分が関わらないわけにもいかない。桐島家は小さな利益しか得ていないが、大きな利益は神城家が取っているので、何か問題が起きれば真っ先に矢面に立つのは必ず神城グループだ。