第405章 奇女子林芳乃

日曜日の早朝、桐島耀真はまだ熟睡中だったが、桐島忠に起こされた。

彼はとても不本意だった。この父親は、どうしても彼にお見合いをさせようとしていた。以前、彼が神城家のパーティーに行ったことで、女性側はすでに不快に思っていたので、今日はこのチャンスを大切にしなければならなかった。

「今日は出かけて良いプレゼントを選んでこい。今日は相手の誕生日だ。明日彼女を連れて食事に来られなかったら、お前もう帰ってくるな！」桐島忠は威張り散らした。

桐島耀真はしぶしぶ承諾するしかなかった。

彼は桐島忠が本当にそうするだろうと信じていた。

以前、うっかり桐島詩雲のおもちゃを壊してしまった時は、丸一晩外で正座させられたのだ。

ようやく夜になった。

林家の別荘には、西平の名士たちが集まっていた。

林家の令嬢、林芳乃の誕生日だった。

神城連真一家は比較的早く到着していた。彼は西平での名声が高かったため、会場に着くとすぐに多くの人が取り入ろうとしてきた。

次第に忍耐力が尽きかけていたが、林取締役の面子は立てなければならなかった。

桐島耀真が到着した時、彼は風塵にまみれ、髪は乱れていた。

林芳乃はちょうど玄関で林夫婦と一緒に客を迎えていた。

彼の姿を見て、林奥様は林芳乃の脇をつついて、これが最近彼女のために手配したお見合い相手だと暗示した。

林芳乃は彼を上から下まで眺めた。ハンサムではあったが、桐島家の養子に過ぎなかったので、当然良い顔色ではなかった。

「林さん、お誕生日おめでとうございます！」桐島耀真は手にしていたプレゼントを直接林芳乃に手渡した。

彼女は彼の目の前でプレゼントを開け、中を見た。ネックレスだった。見た目は精巧だったが、ダイヤモンドが小さすぎた。「こんな安っぽいネックレス、物乞いにでもあげるの？私、中学生の頃からこんな小さなダイヤのネックレスなんてしてないわよ。持って帰りなさいよ！」

桐島耀真はこの女性が自分に対して敵意を持っているのを感じ取った。

林母はとても気まずそうだった。この娘はいつも甘やかされていたが、ここまで傲慢不遜ではなかったはずだ。「芳乃、言葉遣いに気をつけなさい！」

林芳乃は目を転がして黙った。

桐島耀真は気まずく、プレゼントを引き下げて会場内に入った。