霧島咲姫の顔に優しい笑みが広がった。「もちろんよ!」
神城煌はその場に立ち、思わず笑みを漏らした。自分の両親がこんなに寛大で、積極的に霧島柚羽を引き取ると申し出るとは思ってもみなかった。
霧島柚羽は長年初めて家族の温かさを感じ、すぐに駆け寄って霧島咲姫を抱きしめ、目に涙を浮かべた。
それから、神城家には新しい家族が増えた。
霧島咲姫と神城連真が予想もしなかったのは、霧島柚羽が神城煌と同い年で、しかもこの子がとても賢く、学校では性格は冷たいものの、人望は非常に厚かったことだ。
二人は相談し、三日後に霧島柚羽のための儀式を開き、彼女を皆に紹介することに決めた。
すぐに、二人は招待状を広く配った。
日中、霧島咲姫は霧島柚羽の養子縁組の手続きに忙しく、こんなに複雑だとは思っていなかった。