霧島柚羽はようやく我に返り、すぐに頷いた。「うん!」
家族全員が喜びの涙を流した。
ただ神城連真だけは心に少しの悲しみが浮かんだ。もしも自分が健康でこの四人家族がずっとこのまま生活できたらどんなに良いだろう。しかし自分は毎日不安で、あとどれだけの時間が残されているのか分からない。
霧島咲姫はそこで数日前に桐島耀真に約束したことを思い出した。彼と林芳乃との縁談から抜け出す手助けをすると。
そこで彼女は携帯を取り出し、桐島耀真に電話をかけた。
桐島耀真は逆に彼女が裁判に勝ったことを祝福した。彼女はとても驚いた。自分の妹が罰金を科せられたのに、彼女を慰めに行かないのだろうか。
霧島咲姫は手短に電話を切り、すぐに前から連絡を取っていた人物と約束を取り付けた。
彼女は急いで神城連真たち三人に挨拶をすると、バッグを持って出かけた。