第437章 薬を間違えて飲む

考えれば考えるほど、彼女はことがそう単純ではないと感じ、片付けが終わると、服を着替え、薬の瓶を持って病院へ向かった。

マーティンは霧島咲姫が自分の愛弟子を許してくれたことから、彼女を恩人と見なしていた。

すぐに快く彼女の薬物の鑑定を手伝うことを承諾した。

彼は瓶を手に取り、匂いを嗅いだ。

「霧島さん、この薬には問題があります！しかし、私が思っているような問題かどうかは成分を鑑定してみないと確定できません！」

霧島咲姫は眉をひそめた。「では、お手数をおかけしますが、よろしくお願いします！」

彼女は思いに沈みながら病院を後にした。

小さなアパートに戻ると、神城連真が発作を起こし、狂ったように物を投げ始め、霧島咲姫を怯えさせた。

「連真、見て、私よ、霧島咲姫よ！少し落ち着いて、いい？」

彼はその名前を聞くと確かに大人しくなり、すぐに口を開いた。「薬、薬をくれ！お前は私の薬をどこに隠した、この意地悪な女！」

霧島咲姫の心は一瞬にして底に沈んだ。やはり正気ではなかった。彼女が出かける時にすべての薬を隠していたが、今マーティンがこの薬はおかしいと言ったのだから、彼に続けて飲ませるわけにはいかなかった。

彼女は狂乱状態の彼をしっかりと抱きしめた。「大丈夫よ、連真、いい子にして、もう少し我慢すれば過ぎ去るわ！眠りましょう、いい？眠れば大丈夫になるから」

正気ではなかったが、霧島咲姫の声には魔法のような力があり、彼を少し落ち着かせた。彼は木のように頷いた。「いいよ、おとなしく寝る、起きたら薬をくれるんだな！」

霧島咲姫は笑うべきか泣くべきか分からなかったが、彼を寝室に連れて行き、なだめすかして、ようやく彼は深い眠りについた。

彼女はこのままではいけないと考え始めた。早急に彼の状態をコントロールしなければ、後でもっと厄介なことになるだろう。

そこで彼女は資料を必死に調べ始め、様々な方法を考えた。

すぐに彼女は外出し、様々なものを買い集めた。

一通り苦労して、漢方薬を煎じた。

彼女はそれを嗅ぎ、普通の人が受け入れられる味ではないと思った。良薬は口に苦しと言うが、効果があることを願うばかりだった。

その頃、神城連真はすでに目を覚ましていた。

薬を探し始めた。

霧島咲姫を見ると少し気まずそうだった。