二人の子供は名残惜しそうにしていたが、それでも力強くうなずいた。
霧島咲姫はすぐに部屋に戻って荷物をまとめ、空港へ向かった。
守屋朝陽はすでに到着していた。
「咲姫、本当に考え抜いたの?これは冗談じゃないよ、命の危険があるんだ。それに君は子供を身ごもっているんだよ。本当に行くつもりなの?」
霧島咲姫はうなずいた。「行かなければならないの。こんな社会の毒瘤が、私の夫をこんな状態にしたのよ。それに、背後で指示した人間が誰なのか、彼の口から聞き出さなければならないわ!」
守屋朝陽は仕方なく同意した。幸い、彼はあちらで何人か知り合いがいた。
霧島咲姫はすでにアメリカの友人であるクリスに連絡を取っていた。かつて彼女がアメリカに5年間滞在していた時、まったく人脈がなかったわけではない。