霧島咲姫は頷いた。「ああ!じゃあ行きましょう、病院の消毒液の匂いが強すぎるわ!」
桐島耀真はすぐに荷物をまとめ、霧島咲姫を郊外にある自分の別荘へ連れて帰った。
彼女はここ数日、心ここにあらずで、何か大切なものを忘れているような気がしていたが、思い出せないでいた。
桐島耀真は別荘を出た後、玄関先で電話をかけた。「どうだ?見つかったか?」
電話の向こうの人は頷いた。「ああ、すぐに倉庫に来てくれ!」
桐島耀真はすぐに車を走らせ、倉庫へ急いだ。
倉庫に着くと、守屋朝陽がすでに入り口で待っていた。
倉庫の中では、桐島忠と桐島詩雲が縄でがんじがらめに縛られていた。
二人は桐島耀真を見て、驚きのあまり目を見開いた。
桐島耀真は長年我慢してきたが、ついにこの日が来たのだ。
「どうだ、お前たちも数日経ったな?」彼は桐島忠の口から布切れを引き抜いた。