第442章 骨灰箱

霧島咲姫は目の前の世界がぐるぐると回っているように感じた。

目が閉じかけた時、彼女は見覚えのあるシルエットを見たが、その後完全に気を失ってしまった。

霧島咲姫が目を覚ましたのは三日後のことだった。周囲の環境を見回すと、一面の寂しい白だった。

そのとき、彼女の傍らにいたのは守屋朝陽と桐島耀真だった。

彼女は心が沈んだ。神城連真はやはり来なかったのか?

彼女は突然思い出した。気を失う前、確かに桐島詩雲に誘拐されていた。子供、自分の子供は無事なのだろうか?

その時、彼女はお腹に触れたが、空っぽだった。

彼女は感情が高ぶり、「子供は?私の子供はどこ?」と言った。

守屋朝陽と桐島耀真は顔を見合わせ、無力に頭を振った。「子供はもういない!」

守屋朝陽はこの時、後ろのテーブルから白い小さな箱を持ってきた。「咲姫、ごめん、子供は助からなかった!これは二人の赤ちゃんの遺灰だ!」

霧島咲姫は恐怖の表情を浮かべ、涙が止まらなかった。二人は彼女の様子に驚いた。

彼女は突然骨壷を奪い取り、開けて見た。彼女は自分の子供がまだ会うこともできないうちに亡くなってしまったことを信じたくなかった。

彼女は骨壷を脇に置き、全身の力が抜けてベッドに崩れ落ち、大声で泣き始めた。

医師はその時、物音を聞いて看護師と共に駆けつけた。

看護師が彼女を押さえつけ、医師は彼女に鎮静剤を注射した。

この時、医師は口を開いた。「患者さんは以前からうつ病があったようで、産後うつも加わっています。今は感情の起伏が大きくならないようにしてください。ご家族の方はどうか患者さんをしっかり見守ってあげてください。」

桐島耀真はうなずき、医師と看護師を病室から見送った。

霧島咲姫が再び目を覚ました時、顔色は青白く、一言も発しなかった。

守屋朝陽はすでに会社に戻っていた。

桐島耀真は彼女のそばにずっと付き添っていたが、何を話しかけても彼女は答えず、ただぼんやりと天井を見つめていた。

桐島耀真は非常に恐れていた。

霧島咲姫は窓の外に漂う雲を見つめ、ようやくゆっくりと我に返った。

「桐島詩雲は?」