一日の疲れた忙しさを終えると、東條甘音は子供たちを福祉施設に送る車を手配した。
残りの人々もそれぞれ家に帰った。
翌日早朝、東條甘音は福祉施設にやって来た。
施設長はこの時、てんてこ舞いだった。「霧島さん、いらっしゃいましたか!」
霧島咲姫は驚いた。「施設長、これはどういう状況ですか?」
施設長は説明した。「桐島さんが朝早くから工事チームを呼んで、私たちの福祉施設のために新しく二棟の建物を建てたいと言ってくださいました。一棟は図書館、もう一棟は子供たちの寮です。そして神城さんも人を送って、一千万円の小切手を届けてくださいました!霧島さん、本当にありがとうございます。おかげで福祉施設がこんなにも多くの人の助けを得ることができました!」
霧島咲姫は少し気まずそうにしながら、銀行カードを取り出した。「施設長、これは銀行カードです。中には昨日から今日にかけて私に連絡があり、あなたに渡してほしいと言われたものをまとめました。合計で八百三十万円あります。どうぞお受け取りください!」
施設長の目には涙が光っていた。「ありがとうございます、霧島さん。このお金があれば、子供たちは行き場を失うことはありません!」
霧島咲姫はとても不思議に思った。おかしいな、以前にもお金を送ったはずなのに、どうしてこんなにお金が足りないのだろう?
施設長はこの時、長いため息をついた。霧島咲姫の疑問を見透かしたかのようだった。「霧島さん、正直に申し上げますと、私も去年この福祉施設の施設長として赴任してきたばかりなんです。その時、前任の施設長が大小さまざまな社会からの寄付金、合計で三千万円以上を持ち逃げしていたことがわかりました。当時それを知った時は本当に驚きました。福祉施設自体も家賃などを支払わなければならず、様々な出費が私を押しつぶしそうでした。東雲先生がその時に来てくれて、すぐに一千万円の小切手をくれて、子供たちを助けたいと言ってくれたので、彼女はここに残ることになりました!