第478章 互いに言い争う

霧島咲姫は電話を切るとすぐに弁護士に連絡し、関連する状況について相談した。

弁護士は朝日奈綺々と直接会って、訴訟の詳細について話し合いたいと希望した。結局のところ、関係する財産や証拠が多すぎるため、直接会って詳しく話し合う方が安全だった。

朝日奈綺々は電話を受けると、すぐに家政婦に娘の世話を頼み、約束の場所へと急いだ。

東條甘音はこの時、もはや自分の興奮した感情を抑えることができず、杉山美香が転職したモデル事務所に直接向かった。

その会社の社長の息子は自分の親友だったので、何か要求があれば彼の助けを借りて実現できるはずだった。

会社に着くとすぐに、久我義天が自ら出迎えに来た。

「今日はどうして私に会いに来てくれたの?」久我義天もまた大らかな人物だった。

東條甘音は眉をひそめて言った。「あなたの会社に最近、杉山美香という新しいモデルが来たんじゃない?」

久我義天は非常に驚いた。「どうしてそれを知っているの?」

彼女はこの女性の本当の目的を直接言わず、遠回しに尋ねた。「彼女の様子はどう?誰が紹介したの?それとも、あなたたちがスカウトしたの?」

久我義天は少し困惑した様子で、「その女性はあなたの友達?」

東條甘音は今、彼とくだらない話をする気分ではなかった。「直接答えてくれればいいじゃない、ぐずぐずしないで!」

久我義天は非常に困った様子で、本当のことを言うしかなかった。「彼女は確かに他の人の紹介で来たんだ。でも私が担当しているわけじゃない。新人だよ。菅田という社長が紹介してきたみたいで、うちの会社の人間に彼女をよく面倒見るようにとかなりのお金を払ったらしい。

正直に言うと、この子のパフォーマンスはあまり良くないんだ。私はあまり好きじゃないよ!」

東條甘音はこの話を聞いて心が晴れた。「わかったわ、久我、あなたの会社を見せてくれない?もし適任者がいれば、あなたの業界に合わなくても、私の会社で俳優や歌手としてやってもらうこともできるわ!」

久我義天の目が突然輝いた。「それはいいね、行こう、案内するよ!」

東條甘音もこの会社を訪れるのは初めてだった。自分の会社もこの分野の事業に関わっていたが、久我義天と比べれば、まだまだ小さな存在だった。

会社に入るとすぐに、すべての従業員が熱心に久我義天に挨拶した。「久我若社長、こんにちは!」