スーパーから出てきて、鈴木音夢は荷物が少し重かったので、直接カートを使ってスーパーの外の広場まで押していった。
紅井さんの息子である木場俊樹は、高校に通っていて、鈴木音夢が荷物を持っているのを見ると、すぐに駆け寄ってきた。
「鈴木さん、手伝いますよ」
鈴木音夢は木場俊樹を見たとき、思わず鈴木世介のことを思い出した。「俊樹、ありがとう」
「いいえ、どういたしまして。今、赤ちゃんを身ごもっているんですから、気をつけないと」
木場俊樹は鈴木音夢のことが好きで、夜に時間があるときは、彼女に勉強を教えてもらっていた。
レストランの裏にある従業員寮に戻ると、紅井さんは自分の息子が戻ってきたのを見て、すぐに近づいてきた。「俊樹、お腹すいた?ちょうどキッチンにチキンスープを取っておいてもらったわよ」