第206章 怖がらないで、叔父さんがいるから12

卓田越彦は時間を確認した。「もういいよ、変なことを考えないで。あと30分待っていて。仕事を片付けたら、外に連れ出すから」

そういえば、彼らはまだ正式なデートをしたことがなかった。

卓田越彦はそういうことを気にしないタイプだったが、他の人ができることなら、彼もチビのためにできるはずだ。

「おじさま、急いで仕事に戻ってください。私のことは気にしないで」

鈴木音夢はもう落ち着いていて、服を着替え、ついでにベッドシーツも片付けた。

なんて恥ずかしいんだろう。おじさまが怒らなかったのが幸いだった。

オフィスの外では、社長が史上初めて女性を執務室に連れ込んだという噂で持ちきりだった。

しかも、入ってからずっと出てきていない。

これはいつもの仕事人間の社長らしくない行動だった。さらに驚いたことに、社長は記者のインタビューにも応じたという。