第288章 豊田家の玉の飾り7

古田静美は外向的で明るい性格で、おおらかで、誰とでもすぐに打ち解けるタイプだった。

鈴木世介は卓田礼奈が不機嫌なのを知っていたので、古田静美の言葉に答えず、「お嬢さん、申し訳ありませんが、私たちは知り合いではありません。中に入りましょう」と言った。

卓田礼奈は彼がこの古田静美とゆっくり話すと思っていたが、鈴木世介がそう言うのを聞いて、急いで彼の後について中に入った。

さっき、鈴木世介は態度を表明したと言えるだろうか?

卓田礼奈は内心喜んだが、古田静美は鈴木世介の態度を気にしていないようだった。

陽川梅子が近づいてきて、自分の娘を見て、「詩雨、さっきの男の子はあなたの友達?」と尋ねた。

「今はまだ友達とは言えないわ。ママ、私たちも中に入りましょう」

陽川梅子と古田千斗は考古学者だったので、年代物のものに非常に興味を持っていた。