第347章 一目であなたを見分けられる16

竜川と岩山は前後に鈴木音夢と井上菜々を守りながら前進し、時折落ちてくる石が人々をさらに恐怖に陥れていた。

山道の片側は斜面で、下には川が流れていた。

もし不注意で落ちたら、その結果は想像したくもなかった。

一行が少し歩いたところで、前方の道が塞がれていた。ここでも土砂崩れが発生していたとは思いもよらなかった。

突然、最前列を走っていた車が崖下に落ち、大きな音を立てた。

雨幕の中、皆はさらに恐怖を感じ、何人かの女の子はすでに泣き叫んでいた。

音夢も怖かった。もし自分がこのまま死んでしまったら、杏子はどうなる?越彦はどうなる?

やむを得ず、皆は上へと登ることにした。

音夢はふと目をやるとリンダの表情が他の人と違い、特に冷静であることに気づいた。

その瞬間、黄色い泥水が押し寄せてきた。