竜川と岩山は前後に鈴木音夢と井上菜々を守りながら前進し、時折落ちてくる石が人々をさらに恐怖に陥れていた。
山道の片側は斜面で、下には川が流れていた。
もし不注意で落ちたら、その結果は想像したくもなかった。
一行が少し歩いたところで、前方の道が塞がれていた。ここでも土砂崩れが発生していたとは思いもよらなかった。
突然、最前列を走っていた車が崖下に落ち、大きな音を立てた。
雨幕の中、皆はさらに恐怖を感じ、何人かの女の子はすでに泣き叫んでいた。
音夢も怖かった。もし自分がこのまま死んでしまったら、杏子はどうなる?越彦はどうなる?
やむを得ず、皆は上へと登ることにした。
音夢はふと目をやるとリンダの表情が他の人と違い、特に冷静であることに気づいた。
その瞬間、黄色い泥水が押し寄せてきた。