第349章 チビ、お前は俺のものだ2

卓田正修は彼女の手を握り、緊張した様子で尋ねた。「杏子、どこか具合が悪いところはない?」

杏子は首を横に振り、鼻をすすりながら言った。「おじいちゃん、ママはいつ帰ってくるの?」

この質問に、卓田正修はどう答えればいいのか分からなかった。

彼は手を伸ばして杏子の頭をなでた。「パパが今からママを迎えに行くよ。お利口にお家で待っていれば、きっとすぐに帰ってくるからね。」

もし音夢に何かあったら、息子はあんなに彼女を好きなのに、一体どうなってしまうのだろう?

外では、ヘリコプターが雨の中を進んでいた。雨はやや小降りになっていた。

しかし視界が悪く、ヘリコプターはあまり近づくことができなかった。

そのとき、卓田越彦は平村さんから電話を受け、山で二度の土石流が発生したため、危険を冒して近づかないよう警告された。