第353章 チビ、お前は俺のものだ6

卓田風太も自ら医療チームを連れてきて、井上菜々を助け起こした。彼女の体は熱くて火照っていた。

しばらくして、ヘリコプターが到着し、古田静雄は林浅香を抱えてヘリコプターに乗せた。

その後、井上菜々もヘリコプターに乗せ、病院へと飛び立った。

奥さんはまだ見つかっておらず、卓田風太は小分隊を率いて、下流の捜索を続けた。

一夜が過ぎ、撮影クルーの人々だけでなく、山麓の村からも、逃げ遅れた村民たちが流されてきた。

ニュースでは死傷者数の報道が続いていたが、病院にいる杏子のいる部屋では、卓田正修がテレビをすべて消していた。

時間が経つにつれ、発見される人は増えていったが、死亡者数も増加していった。

鈴木音夢はずっと見つからず、卓田越彦はほとんど気が狂いそうになっていた。

昼間一日中が過ぎても、依然として鈴木音夢の行方は分からなかった。