第359章 チビ、お前は俺のものだ12

卓田正修は中を覗き込んでから、ここ数日で一回り痩せた息子を見た。

「越彦、杏子はここ二日間ずっと眠れていない。今夜は病院で彼女に付き添ってあげなさい。音夢を探す件は私が処理する。何か情報があれば、すぐに知らせるから。」

卓田越彦は仕方なく残ることにした。チビにしても杏子にしても、彼にとっては最も大切な人たちだった。

彼はベッドの側に戻り、彼女の小さな手を握った。

元々痩せていたのに、今回また病気になって、これまで何とか戻してきた肉が、一気に削ぎ落とされたように感じた。

卓田越彦は彼女の手を優しく撫でていると、突然杏子の手のひらに気づいた。あのアザがまた大きくなっていた。

このアザは、チビが生まれた時からあったと言っていた。

しかし生まれたばかりの頃は、確かに小さな点に過ぎなかった。

今では、このアザが時間とともに大きくなっているようだ。そして、その上の模様がますますはっきりしてきて、遠くから見ると、彼女の手のひらに花が咲いているようにも見える。

卓田越彦は思わず心配になった。チビが事故に遭った時、杏子は彼女が水に落ちる夢を見たと言っていた。

このアザはチビと何か関係があるのだろうか？

「そういえば、杏子のこのアザ、口谷さんが北海道霊族の紋章に似ていると言っていた。今回、口谷さんは元々北海道に行って霊族の人を探そうとしていたんだが、手ぶらで帰ってきた。その霊族は、もしかしたら存在しないのかもしれない。」

卓田越彦は振り向いて、卓田正修を見た。「霊族？」

「口谷さんが若い頃、北海道で調査していた時に、霊族の人に救われたことがあるそうだ。彼は霊族のことを非常に神秘的に語っていて、彼らの薬が特別に不思議だとも言っていた。才能のある継承者の中には、陰陽を理解できる者もいるらしい。」

卓田越彦は杏子の手のひらのアザをじっくりと見つめた。杏子は霊族と何か関係があるのだろうか？

チビの母親である林暁美については、彼の人脈を使っても素性が分からなかった。

それは林暁美が確実に何か神秘的な場所の出身であることを証明しているだけだ。

彼女の記録は、彼女が提供した名前が間違っているか、あるいは誰かによって変更されたかのどちらかだ。

もう一つの可能性は、霊族のような人々が、代々深い山の中に住み、外出せず、自然と彼らの情報がないということだ。