三十分後、薬を受け取り、鈴木世介は時間を見ると、もう9時近くになっていた。
諏訪部玉子は少し申し訳なさそうに言った。「部長、先に行かれてもいいですよ。私は一人で帰れますから。」
鈴木世介は少し躊躇した後、携帯の充電が終わるのを見て、急いで電源を入れ、卓田礼奈に連絡しようとした。
携帯の電源が入ると、卓田礼奈からのメッセージが表示された。彼女が会社に来たのか?
しかもメッセージの時間を見ると、彼女は7時前に会社に来ていたようだ?
でも、なぜ彼は彼女を見かけなかったのだろう?
鈴木世介は急いで彼女の番号を探し出し、電話をかけた。
レストランで、卓田礼奈は食事を終え、携帯が鳴るのを見た。
鈴木世介からの電話だった。もう9時だ。彼はようやく彼女のことを思い出したのだろうか?
彼女は少し考えてから電話に出た。声は非常に冷静だった。「もしもし...」