第440章 私を無視するな18

鈴木世介が洗面を終えて出てくると、食卓には二杯のお粥と、七、八種類の小鉢、そして蒸し餃子が並んでいた。

その見た目は、外で買ってきたものとは思えなかった。

「見てないで、早く味わってみて。普段これらは私が一番好きな小鉢なの。白いお粥と一緒に食べるのが最高よ。あなたは今ちょうど、さっぱりしたものを食べるのが一番いいわ。脂っこいものはダメよ」

鈴木世介は目の前のお粥を見た。今朝、彼女がキッチンで煮たのだろうか？

一口食べてみると、火加減がちょうど良かった。「こんなに良い女性が彼女だなんて思わなかったよ。前はそんな風に見えなかった」

「私が怠け者だって言いたいのね。この漬物を食べてみて」

今や彼女を怠け者だなんて言えるわけがない。これはすでにとても珍しいことだった。

「本当に美味しいよ、礼奈。昨夜は本当に大変だったね、ありがとう」

卓田礼奈はその言葉を聞いて不機嫌になった。「鈴木世介、なんでそんなに丁寧なの？私にお礼なんて言わないで。これからは素直に私の言うことを聞けばいいのよ」

素直に彼女の言うことを聞く？この言葉を聞いて、鈴木世介は思わず眉を上げた。

以前は、彼女が素直に言うことを聞いていたのに。

「わかった、遠慮しないよ。君ももっと食べなよ」

昨夜よく眠れなかったせいで、彼女の目の下のクマがはっきりと見えた。

鈴木世介は心配になり、朝食を食べ終わったら彼女を寝かせようと思った。

卓田礼奈は昨夜脱いだ服がまだ洗われていないのを見た。ここには使用人もいない。

それに彼はやっと少し良くなったところだ。卓田礼奈は彼の服を先に洗ってあげようと思った。

彼女の言葉を聞いて、鈴木世介は何と言っていいかわからなかった。

普段卓田家では、彼女は自分の服さえ洗ったことがないだろう。

彼は彼女を部屋に引っ張り込んだ。「昨夜よく眠れなかったのはわかってる。今は素直に私の言うことを聞いて、昼まで寝なさい。昼は外で食事をして、午後には新しい家の改装の進み具合を見に行こう」

彼が「私たちの新しい家」と言うのを聞いて、卓田礼奈は不思議と嬉しくなった。

「いいわ、でもあなたも寝て。たくさん休まなきゃ」

鈴木世介はうなずき、彼女を引っ張ってベッドに横になった。

昨夜彼女は心配で死にそうだった。胃が痛いと言い、高熱を出し、確かによく眠れなかった。