第473章 鈴木成典、自滅3

卓田越彦がそう言うのを聞いて、鈴木音夢はさらに心配になった。「私が悪いのよ。食事の後すぐに杏子を連れて帰っていれば、ショッピングモールに来なければ、何も起こらなかったのに」

卓田越彦は彼女がそんな風に自分を責めるのを見るに忍びなかった。あの連中は卓田家を狙ってきたのだ。

「妻よ、これはお前のせいじゃない。奴らは目的の品を手に入れるまでは、杏子に危害は加えないはずだ。奴らの目的は杏子ではないから、今のところ杏子は安全だ」

そう言うと、卓田越彦は携帯を取り出し、古田静雄に電話をかけた。

今回こそ、卓田越彦は何としても奴らを根絶やしにするつもりだった。

奴らが生きている限り、卓田家を狙い続けるだろう。それも解決策ではない。

チビと杏子を一生家に閉じ込めておくつもりなのか?

卓田越彦は二手に分かれ、一方は杏子を連れ去った男の捜索を急いだ。

もう一方は、あの連中の処理を準備していた。

奴らが姿を現せば、今度は生きて逃げることはそう簡単ではないだろう。

結局は自分の油断だった。今日彼女が外出すると言った時に、もっと多くの護衛をつけていれば、杏子が誘拐される隙はなかっただろう。

杏子が奴らの手中にあることで、確かに罠を仕掛けることはできるが、杏子が危険な状況にあることを考えると、本当に心配でならなかった。

卓田越彦は犯人がすでにショッピングモールから逃げ出したと判断し、封鎖解除を命じた。

鈴木成典はチビちゃんを連れて、すでに何カ所も場所を変えていた。

今や街中がチビちゃんを捜索しており、このままでは長くないうちに捕まってしまうだろう。

彼は今、早くチビちゃんをあの人物に引き渡したいと思っていた。

そうすれば金が手に入り次第、金を持って逃げることができる。

その時、卓田家が追及しても、チビちゃんを誘拐したのはあの連中だと思われ、自分には関係ないと思われるだろう。

揺れる道のりを経て、鈴木成典は杏子を連れて山に入った。

ある洞窟に隠れてから、やっと携帯を取り出し、あの人物に電話をかけた。

ピーターは鈴木成典がこんなに早く電話してくるとは予想していなかった。

本来なら、茉莉を派遣して彼を助けるつもりだった。

「人...人を捕まえました。いつ来ますか?本当に100万くれるんですよね?」