卓田越彦がそう言うのを聞いて、鈴木音夢はさらに心配になった。「私が悪いのよ。食事の後すぐに杏子を連れて帰っていれば、ショッピングモールに来なければ、何も起こらなかったのに」
卓田越彦は彼女がそんな風に自分を責めるのを見るに忍びなかった。あの連中は卓田家を狙ってきたのだ。
「妻よ、これはお前のせいじゃない。奴らは目的の品を手に入れるまでは、杏子に危害は加えないはずだ。奴らの目的は杏子ではないから、今のところ杏子は安全だ」
そう言うと、卓田越彦は携帯を取り出し、古田静雄に電話をかけた。
今回こそ、卓田越彦は何としても奴らを根絶やしにするつもりだった。
奴らが生きている限り、卓田家を狙い続けるだろう。それも解決策ではない。
チビと杏子を一生家に閉じ込めておくつもりなのか?