第479章 善人には天の加護あり4

コーエンは最高級の殺し屋ではないが、腕前と射撃の技術は自負していた。

しかし卓田越彦の前では、まるで彼は小鬼のようで、彼の前に立っているのは人の生死を決める修羅だった。

コーエンは腕を押さえながら、「私たちのボスに会いたいなら、少なくとも品物を確認させてもらわないと」と言った。

卓田越彦は箱を開け、数秒後、素早く蓋を閉じた。

コーエンがもう一度見ようとしたとき、卓田越彦はすでに箱を閉じていた。

形から見ると、彼らが持っている図面とそっくりだった。

今や彼の娘が彼らの手中にあり、卓田越彦も細工をする勇気はないだろう。

コーエンはビデオ通話を開始し、卓田越彦がパソコンから見た人物も、おそらく仮面をつけていた。

彼らのような人間は、決して素顔を簡単に人に見せることはない。

「卓田さん、こんにちは...」

ヘブンストライカーは口角を上げ、卓田越彦に手を振った。まるで久しぶりに会う古い友人のように親しげだった。

「無駄話はいい、私の娘はどこだ？」

「焦らないで、あなたが玉石を渡してくれれば、我々が立ち去る前に、小さなお姫様を無事にあなたの手元に届けることを約束します」

「なぜ私があなたを信じる必要がある？」

「卓田さん、あなたの娘は我々の手中にあります。私たちを信じる以外に、第二の道はありません。小さなお姫様の体調があまり良くないと聞いていますので...」

ヘブンストライカーは冷たく笑い始めた。画面越しでも、人を不快にさせるものだった。

「ヘブンストライカー、少なくとも私に娘を見せて、彼女の声を聞かせてくれ。忘れるな、ここは永崎城だ」

パソコンの向こう側の人物の表情が少し険しくなった。卓田越彦が既に彼の正体を知っていることを予想していなかったようだ。

「いいだろう、声を聞かせてやる」

ヘブンストライカーはピーターに電話をかけた。この時、ピーターはまだ深い山の中をさまよっていた。

突然、ヘブンストライカーの表情が一瞬で非常に険しくなった。

彼は自分の感情を必死に抑え、電話の向こうから聞こえてくるピーターの忌々しい声を冷静に聞いていた。

この瞬間、彼は本当に罵りたかった。一群の無能者が、小さな子供一人を見張ることもできないとは。

ヘブンストライカーの表情の不自然さはほんの一瞬だったが、卓田越彦にはそれが捉えられていた。