山の中で、古田静雄はすでに捜索を開始していた。特殊部隊の隊員たちは猟犬を連れ、網を張るように山を捜索していた。
蒼山は永崎城最大の山脈で、数百キロにわたって連なり、一方は海に近い。人がその中に隠れると、見つけ出すのは容易なことではない。
この時、だいたい8時過ぎ、杏子と鈴木成典のお腹はすでにぐうぐうと鳴り始めていた。
月がゆっくりと昇ってきた。半月で、まだ満月ではない。
月明かりの下、周囲の輪郭がだんだん見えてきた。
杏子はお腹を押さえ、疲れと空腹を感じていた。「おじさん、お腹すいた」
鈴木成典は彼女をかなりの距離背負ってきた。彼はうなずいて、「おじさんもお腹ペコペコだよ。今回は損したな。お金は手に入らないし、おまけにチビちゃんを背負わなきゃいけないし。帰ったら、おじさんの太ももはきっと持たないよ」