第476章 善人には天の加護あり1

卓田越彦は電話に出て、ただ簡単に一言だけ言った。「もしもし……」

電話の向こう側の人物は、今の卓田越彦の声があまりにも冷静なのを聞いて、冷笑した。「卓田社長、虹色の玉石を一時間後に指定の場所に届けろ。さもなければ、お前の娘の死体を拾うことになるぞ」

卓田越彦は位置を特定している技術者たちを見て、「わかった、約束しよう。だが、もし娘の髪の毛一本でも傷つけたら、お前たちがどこに逃げようと、掘り出して八つ裂きにしてやる」

「我々の目的は玉石を手に入れることだ。もし何か細工をするなら、お前の娘にもいい思いをさせてやるぞ。古代日本には骨醉という遊びがあると聞いた。人の手足を切り落として、酒甕の中に入れるというものだ」

言い終わると、ピーターは不気味に笑い出した。

ドアの後ろで盗み聞きしていた鈴木成典は、その言葉を聞いて足がすくんでいた。これはいったいどんな連中なんだ?