第482章 善人には天の加護あり7

彼はチビちゃんを背負い上げ、地面の火を見た。すでに灰になっており、火の気は全くなかった。

彼は適当に足で踏みつけ、チビちゃんを背負ったまま急いで洞窟を出た。

この時、太陽はまだ昇っておらず、朝の山は霧がかかっていた。

鈴木成典は勉強では鈴木世介に遠く及ばないが、方向を見分けることはできた。

木の葉が茂っている方向は必ず東だ。もし間違えたとしても、太陽が昇ってくれば自分が間違ったかどうかわかるだろう。

東に向かえば、海に近い側になり、すぐに森を抜けられるはずだ。

約1時間後、鈴木成典の額には汗が浮かび、空はすっかり明るくなっていた。

鈴木成典は方向を確認し、自分が間違っていないことを確かめた。

正面が特に明るいのは、間違いなく太陽が昇ってくる場所だ。

このとき、チビちゃんはすでに目を覚まし、目をこすりながら「おじさん……」と呼んだ。