外の庭で、杏子は二階を見つめていた。お母さんが朝気を失ったから、谷口お爺さんがやって来たのだ。
「書陽さん、お母さんは大丈夫かな?」
前回お母さんがいなくなった時、彼女は何度も夢に見た。今考えるだけでも怖くなる。
「大丈夫だよ、僕のお爺さんは'神医者'と呼ばれているから、音夢おばさんは何ともないよ、安心して。」
谷口書陽は昨日彼女を見た時、卓田杏子はピンク色のドレスを着て、大きな目をしていて、まるで可愛い人形のようだった。
とにかく、彼は卓田杏子が学校の女の子たちよりも可愛くて、そして素直で、少しもうるさいと感じなかった。
「書陽さん、昨日あなたが戦車をくれたから、私の部屋に来て、おもちゃを一つ選んで、あげるわ。」
お母さんは、むやみに人からプレゼントを受け取ってはいけないと言っていた。