第208章 倒産した

福井斗真が彼女の側にいれば、彼は必ず自分を守ってくれるだろう。

安藤凪の感情が完全に落ち着いた頃には、鈴木湊の電話はすでに四十回ほどかかってきていた。彼は粘り強く二人のためにBGMを作り続け、凪はそれを聞いて思わず笑い声を上げた。傍らの福井斗真も口元に笑みを浮かべていたが、その底なしの黒い瞳には濃い心配の色が隠されていた。

彼は安藤凪が今このような状態なのは、心理的なショックによるトラウマなのかどうか分からなかった。また、彼は調査したことがあるが、出産したばかりの新米ママは、些細なことで産後うつになりやすい。もし凪が本当に何か心の病気にかかったら、彼は間違いなく発狂してしまうだろう。

福井斗真はここまで考えると、心の中で密かに決意した。ここでの問題を解決して横浜に戻ったら、必ず何かの理由をつけて、凪を心理医に連れて行こうと。