第370章 本題

山田嵐はほとんど厚かましく大声で叫んだ。

福井斗真は山田嵐が母親について言及するのを聞いて、目に嫌悪の色が浮かんだ。

「あなたには何の証拠があるの?父が臨終の際にそんなことを私に言ったという証拠が。毎月あなたにお金を渡すのは私の義務ではない。もう何年もあなたに渡してきたんだ。あなたはまだ若いんだから、自分で稼げるはずだ」

寄生虫のような生活に慣れ、手のひらを上に向けて、衣食に困らない日々を過ごしてきた山田嵐にとって、外に出て仕事を探すなど不可能だった。山田嵐は福井斗真が夫の臨終の頼みを認めないと聞いて、床に座り込んで大声で泣き叫んだ。

「なんて不幸な家なの!福井斗真、一人の女のためにあなたは母親にこんな仕打ちをするの?私はあなたの実の母親ではないけれど、あなたは十数年も私をお母さんと呼んできたのよ。そんなに冷酷になって、この年で私に働けというの……」

山田嵐の泣き叫ぶ声に、うとうとしていた饅頭が驚いて再び大泣きし始めた。小林桂子はすぐに低い声で子供をあやし始め、安藤凪はそれを見て小林桂子に言った。

「小林おばさん、子供を連れて先に私の部屋に行ってください。ここはうるさすぎて、子供も休めません」

小林桂子はすぐに頷いたが、山田嵐の前を通り過ぎようとしたとき、顔を覆って泣き叫んでいた山田嵐は、指の隙間から小林桂子の進路を見て、わざと足を動かして彼女を躓かせようとした。

心も体も子供のことで一杯だった小林桂子は、異変に気づかなかったが、常に小林桂子を気にかけていた安藤凪はこの光景を見逃さなかった。

安藤凪は山田嵐が彼らの目の前でさえこんないたずらをする勇気があるとは思わなかった。もし小林桂子が赤ちゃんを抱いたまま転んだら、その結果は想像したくもなかった。彼女は怒りを覚え、山田嵐の側に歩み寄り、強く彼女の足を踏みつけた。

山田嵐は痛みで悲鳴を上げ、すぐに足を引っ込めた。そのとき初めて皆は山田嵐がわざと伸ばしていた足に気づいた。

特に小林桂子は、もし今躓いていたら何が起こっていたかを考えると顔が青ざめた。彼女は時間を無駄にせず、すぐに子供を抱いて安藤凪の寝室へ向かった。

「安藤凪、あなた何してるの!目が見えないの?」山田嵐は足首を抱えながら、痛みで額に冷や汗を浮かべ、まず悪者が先に告げ口をするように言った。